abhyAsaH

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気づいて

その望遠鏡のレンズは曇ってないか?
美しい景色に霧がかかってないか。
この顔も言葉ももやがかって見えるだろうね。
その望遠鏡を下ろした方がいい。
と言われて下ろす人間は少ない。
ただあなたが外を内だと気づけるか。
望遠鏡の前に立つ。
よく見えるところまで近づくから。
私の目を見て。
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不安の中にある不安の中にある不安の中にある不安

夜の津波。
涙の海。
不安が泣いてる。
待つしかない。
祈るほかない。
高台から波を眺めている。
波にもまれる自分を眺めている。
自分の中にある海を見る自分の中にある海を見る自分の中にある海を誰か見て。
私を見て、終わらせて。
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やり直し

字の迷路何度でも書く書き直すやり直す度見えゆくゴール
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高密度

行間の開けたメモがミチミチに太く満足とかく見づらく
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現代ドット絵

知らないが惹かれてしまう懐かしさあの頃いれば今だからこそ
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思い出の曲

再会が違法切り貼りクソ動画あの頃の曲しみる名曲
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間に合うか

間に合うか全巻読破期限前無料期間と俺の原稿
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湖の穴の底

これが暗い穴になることが信じられる?
穏やかな波音が底の呼び声になる夜。
どこに落ちてもおかしくない天地。
湖の底に沈んだ何かが手招きをしている。
足を滑らせなさいと言う優しい呪いが聞こえる。
だというのに、今は。
薄い青の下できらめく水面を白鳥が泳ぐ。
私はそれが一番おそろしい。
穴はすぐ近くにいる。
昼の姿をした夜が、そこにいる。
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全体像

地図広げ建国のペン走らせる頭の中ですでに千年
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星空によぎる

星空によぎる蚊の音手を叩き空の上ならいないと淡く