『愛とはあなたを破壊する魔法』制作記録十

2023年7月1日

目次
  1. 進捗
  2. 背景素材について
  3. スチルについて
  4. 進捗状況について

進捗

BGMを作ったり、シナリオを書いたり、背景素材を作ったり、スチルを描いたりしました。

背景素材について

背景素材は基本的に写真素材を加工して制作しています。
しかし一部背景素材は、3DCG画像を加工して制作しています。

画像は3DCGを用いた背景素材の例です。

写真素材、とりわけフリー写真素材は、特定の場所・設定に沿った素材を探すことが困難です。
例えば病院や私室は、探すのが困難な写真の一つです(廃病院であれば一定数あります)。

有償写真素材まで範囲を広げればもう少し見つかります。それでも困難ですし、何より予算の問題があります。
また海外のフリー写真素材配布サイトなども活用できますが、国の文化に依存する場所だと、素材を選びにくいことがあります(部屋のレイアウトや学校など)。

そういった探しにくい写真素材を、フォトリアルな3DCGで解決できないかと思い、3DCGによる背景素材制作に挑戦しています。

使用ソフトについて

モデリングソフトは主にSketchup、一部にXISMO2とBlenderを使用してます。

画像は順にSketchup(Web版)の画面と、XISMO2の画面、そしてBlenderの画面です。
ベッドやライトなど、Sketchupで作りにくいものはXISMO2で制作しています。
細かいディティールの調整やマテリアルの設定などはBlenderで行っています。

Sketchupの長所は、直感的な操作が可能で初心者にもすぐ扱えるところです。
基本的な制作ルーティーン――メジャーで下書き→長方形を描く→押し出す――さえ覚えれば、大抵の物は作れます。

逆に曲線が多い物体やディティールが細かい物体は作りにくいです(スタンドアロン版のエクステンションを活用すれば制作可能なのかもしれません)。

Trimble
Sketchup

XISMO2の長所は、機能のシンプルさと応用性の高さです。
画面が洗練されていて、目的の機能をすぐ見つけることができます。個々の機能はシンプルで、操作をすぐ覚えやすく、機能同士を組み合わせれば複雑なモデリングも可能です。動作が軽いのも長所です。

逆に、最終的な機能の豊富さでは、どうしてもBlenderや有償3DCGソフトと比較せざるを得ません(むしろ個人制作のフリーソフトが有償ソフトなどと肩を並べられることは長所とも言えます)。また建築物など、大きな物体を作るのも苦手だと思います(モデルが大きくなるほど画面拡縮がもたつくように感じる、ポリゴンが増えすぎると逆に他ソフトより重くなるなどが理由です)。

XISMO
index

Blenderは、正直全然使いこなせていません。機能が多すぎて、画面を見ると画面酔いしそうです。
でも上手く活用できれば、このソフト一本でモデリングからレンダリングまでできるんだろうなというのはわかりました。
また疑問があってもネットで調べればすぐ情報が出てくるところも長所だと思います。チュートリアル動画も豊富でいいです。

blender
blender.org

レンダリングにはBlenderを使用してます。レンダリング後、CLIP STUDIO PAINTで加筆修正しています。
理想はBlender上でリアルにレンダリングできることなのですが、あまりクオリティには満足していません。どこか3DCG感が抜けていないと思います。加筆修正後も何か物足りない雰囲気を感じます。

ただどこを操作すれば改善するのかわからないので、これが今の自分の実力なのだと思います。他の写真素材とそこまで雰囲気に差は無いので、実力不相応なことは自分に求めず、このまま制作を続けようと思います。

スチルについて

3DCGについて

スチルにも3DCG素材を使用しています。背景素材のために制作したモデルをそのまま使用しています。
今回のスチルでは、スチルの下書き・アタリとして使用しました。活用方法によっては、レンダリング画像をそのまま使用することもできます。

3DCG素材の利点はこの再利用性にあります。一つのモデルを作るのにかなりの時間を要しますが、同じ場面を何度も描くなら、モデルを作らない場合よりも所要時間が短くなります。
何より私は一から手描きで背景を描くことが苦手です。3DCG素材があると背景が描きやすくて嬉しいです。

スチル差分について

一部のスチル差分には、Ren’pyのlayerdImage機能を使用しています。
基本のスチル画像に、目だけの画像や口だけの画像を重ねて表示する手法です。

他の手法でもスチル差分は表現できるのですが、今回は差分画像数を一番少なくできるこの手法を採用しました

ゲームに使用する画像数を少なくすることは、ゲーム容量削減に繋がります。ゲーム容量が少ないと、動作が軽くなったり、ユーザーのDL時間が短くなったりします。そのためゲーム容量削減は積極的に行います。

ただスチル差分用に専用のプログラムを組んでいないため、セリフごとの口パクは手動で設定しています。
今回はスチル表示時間が短いためこの手法でもいいのですが、次回作では改善したい点です。

進捗状況について

進捗状況該当項目
完成プロット、立ち絵、プログラムなど
ほぼ完成BGM
進行中シナリオ、背景素材、スチル
未完成SE、その他イラスト

BGMは、あと一曲作れば、ゲームに使用する全てのBGMが完成します。

シナリオは現在折り返し地点にいます。

背景素材はまだまだ制作序盤です。写真素材を加工する背景はすぐ終わりそうですが、3DCG系背景に時間がかかります。

未完成の項目にいるものは、比較的すぐ終わると思います。

一番やっかいなのはスチルです。主に制作時間がネックで、一枚につき完成まで六時間、凝ったスチルだと一枚十時間かかります。現在制作予定のスチル枚数は二十三枚(細かい差分含む)です。これから増える可能性もあり、逆に減る可能性はほぼありません。
今回のゲーム制作における正念場と言っていいと思います。

以上のことを踏まえると、ゲームとして通しで遊べる物ができるのは七月上旬、完成するのは八月上旬であると思われます。
完成時期はスチル制作時間に依存していて、ここが想定より早く終われば七月中に完成することも可能だと思います。

ちなみに制作時間の関係上、七月中旬から八月上旬までずっとスチルを描くことになります。同じ作業のしすぎで気が狂わないか心配です。