詩『サイレンの歌』

2022年9月22日

身体を剥いで歌ったサイレンに、
どんな囁きでもいいから返事をして。
皮を、骨を、臓器だって音に変えて、
渾身の血肉で叫んで、
跡形も無く私がほどけても、
「そうだね」という平坦な声だって聞き逃せない。
私たちは二度と明かりの付かない暗室にいる。
だから声を出すことだけが、
どんな声を出すかということだけが、
私がいる証明で、
あなたが聞いてくれた報いなんだ。


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