愛まほ小ネタ『伊方終の誕生日』

前置き

三月二十二日は伊方終の誕生日です。
とな天・悪たしのキャラクターを祝ったので、愛まほのキャラクターもお祝いします。
記念にちょっとしたイラストを描いて、小ネタも書きました。
イラストについて
シチュエーションについて
生存IF世界線のイラストです。
佐久真旭が買ったケーキを二人で食べています。
佐久真はあまり人の誕生日を祝う方ではありません。
そもそも祝いたくなる人が少ないです。
おそらく伊方と父くらいで、成人してからなら千葉も候補かもしれません。
性格的にはマメで人間関係も大事にする方なので、元来は誕生日を祝う方です。
あまり祝わないのは、「自分には何かあげられるだけの価値がないと思っているから」です。
大きく分けて二つの事情があります。
- 自由に使えるお金が無いため、形や価値のあるプレゼントを贈れない。
- 自己肯定感が低いため、自分が祝っても喜ばれないと潜在的に感じている。
それでも家を出るまでは、毎年父に手作り料理をプレゼントしていました。
家を出てからも、言葉で「おめでとう」と伝えています。
伊方に対しては、「そもそも誕生日を知っているか」という問題があります。
祝えないと思っているならわざわざ聞くだろうか、と疑問に思います。
知らなかった場合は何も祝っていません。
もし知っていた場合は、言葉だけで「おめでとう」と伝えていました。
伊方に具体的なプレゼントを贈ったことがないのは、三つの違いがあるためです。
- 父は佐久真の誕生日を祝っていたため、自分も返さなければと思った。伊方からは祝われたことがないため、祝っていいのかわからなかった。
- 「これならプレゼントに値する」と思うものが父に対してはあったから。
- 「旭からのプレゼントが欲しい」と父に泣きつかれたから。
「プレゼントに値するもの」とは手作り料理のことです。
佐久真の料理の腕は普通です。能力に自信もありません。
ただ佐久真の料理で喜ばれた過去があって、かつお金が無くてもできることだったので、プレゼントに選んだのだと思います。
あとたぶん、「祝ってくれ!」と散々言われたのだと思います。
だだをこねられるのが面倒だったので祝うことにしました。
なぜ今年は伊方にプレゼントを贈ったのかというと、……正直私も謎です。
人間関係を大事にする人ではあるんですけれど、それはそれとして面と向かって気持ちを伝えるのは恥ずかしい人なんですよね。
今年に限ってするだろうか……という疑問はあります。
候補は以下の二つ、あるいは両方ともです。
- 生存IF世界線でも、伊方の実家での出来事があった。その出来事を通して、「自分は伊方に何かできる人間なんだ」という自覚が生まれた。
- 第三者に「祝ってあげた方がいい、祝ったら喜ぶ」と助言をもらった。
後者の場合、助言したのは千葉導玄か宇野誠です。
宇野は佐久真が生存した世界線で仲良くなります。
以上の経緯を経て、「価値ある物は贈れないけれど、食べ物なら普通にうれしいだろう」と思い、ケーキをプレゼントに選びました。
もちろん無魔法のケーキです。
無魔法のケーキは一般にはあまり流通していません。
無魔法食品はオンラインで購入することがほとんどで、また制作に時間がかかるものは予約制です。
事前にケーキ店などで予約した上で、伊方に「誕生日にケーキを食べよう」と連絡したのだと思います。
あるいは連絡が先で、約束を取り付けた上で予約をしたのかもしれません。
後者の方が佐久真らしいので、後者の可能性が高いです。
「他の友達や恋人と誕生日を過ごすかも、当日じゃ困るかもな」なんて考えていそうです。
こたつについて
こたつは佐久真が千葉から譲り受けた物です。
小説『師友』で話題にあがったこたつと同じ物です。
この世界線でも同じ話題になり、こたつを譲り受けました。
春なのにこたつな理由は二つあります。
- イラストの見栄えを良くするため。
- 佐久真が「もらったばかりのこたつをもう少し使いたい」と思ったため。
こたつを譲り受けたのは一月~二月の間のため、まだあまり使っていませんでした。
「せっかく貰ったのだからもう少し使いたい」という、思いやり半分、もったいなさ半分の気持ちから、三月もまだ使っています。
おそらく開発者側から「使いごごちなどのフィードバックがほしい」と言われているとも思われます。
もう少し使って詳細な感想を伝えたいという事情もあります。
三月はまだ寒い日もありますし、しばらくは二人でぬくぬくしていてほしいです。
誕生日の決め方について
私はキャラクターの誕生日を決めるとき、以下の三点を意識しています。
- 月日のイメージ
- 星座
- 誕生花などのモチーフ
例えば伊方の誕生日は次のように決めました。
- 早生まれのイメージ。同級生よりも年下の雰囲気を感じる。春休み中の誕生日であり、かつ友人が少ないので、他人からは祝ってもらえなさそう。
- 早生まれの星座の中だとおひつじ座っぽい。
- 三月二十二日の誕生花「レンゲソウ」の花言葉が、伊方からみた佐久真の印象に合う。
月日のイメージや星座と性格の関連性に科学的な根拠はありません。
でもキャラクターの誕生日って科学的に決められない気がしています。
それなら一つの指標として、「伝統的な文化や世俗的な印象を使ってもいいんじゃないかな?」と思っています。
逆にキャラクターのイメージに合わない誕生日にするのも面白いと思います。
陰気なキャラクターを夏生まれにするとか。
キャラクターが「イメージに合わない誕生日ですみませんね」なんて言っているのが目に浮かびます。
伊方にとっての誕生日について
誕生日について聞かれたとき、伊方は「どうでもいい」と答えます。
「どうせ祝われないので合っても無くても変わらない」という意味です。
本当は祝ってほしいタイプだと思います。
元の性格からすると、むしろ特別な日を祝ったり祝われたりするコミュニケーションが好きです。
特別な人と祝うのであればもっと好きです。
ただ、「自分にとってどうでもいい人から祝われてもうれしくない」という、ちょっとめんどうくさい人でもあります。
恋人に祝われてもそこまでうれしくはないです。とはいえ自尊心はある程度満たされるかもしれません。
小説『決意』に登場した妻田というキャラクターがいます。
学生時代の伊方は、妻田から何回か誕生日プレゼントを受け取ったことがあります。
しかし伊方にとって妻田は母の客なので、まったくいいイメージがありません。
妻田は伊方を親戚の子どものように思っているのに、嫌われていて不憫ですね。
あとがき
佐久真と伊方は、昔からお互い大切な人のはずなのに、どことなくすれ違っているなあと思っています。
本当はお互い誕生日を祝いたかったのに祝えていないところが二人らしいです。
甘翼のコンビはこういうケースが多いですね。
自分が好みのままコンビをつくるとこうなるのだと思います。
生存IFという形ではありますが、二人が本心のまま相手のために何かできるようになったことをうれしく思います。