悪たし小ネタ『黒永愛一の誕生日』

前置き

三月二十五日は黒永愛一の誕生日でした。
安藤正継の誕生日をお祝いしたので、黒永の誕生日にもちょっとしたイラストを描いて、小ネタをいくつか書きました。
イラストについて
本編ラストのその後です。
安藤が買ったお酒を二人で乾杯している様子を描きました。
といってもイラストはあくまでイメージです。
本編にもあるとおり、黒永は魂だけの状態で安藤の体の中にいます。
魂は原則実体化できません。
実際には、安藤が机に黒永分の缶を置いて、そこに自分の缶を当てて乾杯しました。
お酒は二缶とも安藤がおいしくいただきました。
黒永の姿について
本編後の黒永が登場するのはこれで三度目だと記憶しています。
一度目は『十月毎日小説企画』十月十三日の小説とおまけイラストで、二度目は小説『生きていていいと言うために』です。
本編後の黒永の姿について説明したことはなかったと思います。
ざっくり言うと今の黒永は安藤の守護霊です。
守護霊なので状況や条件によっては姿が見えます。
今の黒永の姿は、今の年まで生きていた場合の姿です。
本編前・本編中の黒永と比べるとシンプルなおしゃれをしています。
例えばピアスが無かったり、服をそれなりに真面目に着たりしています。
これは魂が本来の人間性を反映して具現化するためです。
「過分に着飾ることは黒永の本質ではない」、というのとは少し違います。
例えるなら「自然体でいられる状態が魂に反映されるイメージ」です。この感覚の説明は難しいです。
前述の通り、黒永は魂だけの存在なので実体化できません。
おそらくこの先も特別な事情が無い限りはそのままでしょう。
本編を終えて、安藤と黒永は普通の人間とは違うコミュニケーションをとるようになりました。
それはときに普通の幸せを失うようにも感じられると思います。
今回も普通の人間であれば、大切な友人同士お互い成人して初めて飲み交わすお酒です。
現実で乾杯できたなら、と考える瞬間もあると思います。
でも二人なら、「こういう関係も俺たちらしいよな」なんて言っているのかも、とも思っています。
誕生日プレゼントについて
安藤から黒永への誕生日プレゼントは、お酒と手作り料理です。
お酒はおそらく二人とも同じ種類です。
二人とも辛いものが好きなので、辛めのお酒だと思います。
またどちらもお酒に強いので度数は強めです。
手作り料理といっても、黒永のリクエストでいつもの夕食を中華料理にしただけです。
黒永が「正継のプレゼントが欲しい」とだだをこねたので、安藤が手作り料理と称してごまかすことにしました。
なんだかんだ黒永は喜んだみたいです。
黒永は記念日が大好きです。
本来記念日を細かく覚えるタイプではありませんが、その代わり一つの記念日を熱心に祝います。
安藤に関しては細かい記念日も覚えています。
逆に安藤はそこまで記念日に熱心な性格ではありません。
育った環境も原因ですが、単に本来の性格がそうというのもあります。
黒永の生前も特別祝っていません。
「おめでとう」と一言言うくらいです。
ただそうすると黒永がプレゼントが欲しいと騒ぎ始めるので、なだめるために何かしら贈っている可能性もあります。
今回のように些細な贈り物だとは思います。
それでも満足するあたりが黒永のちょろいところですね。
でもちょろいのは、安藤がなんだかんだ心から祝ってくれているからだと思います。
その後について
とな天や愛まほは各所で本編後の展開を示唆しているのですが、悪たしに関しては特に考えていません。
制作予定のゲーム版悪たしは本編をマルチストーリーにするイメージで構想しています。
なので小説版の二人のその後には特に関わりがありません。
小説版の二人は、今後何も事件が起こらなければ、残りの人生を平和に過ごすと思います。
ただもしかしたら、ちょっとしたハプニングなんかは起きるのかな?と思います。
小さい事件から大きい事件まで、二人がああだこうだ言い合いながら奔走する姿が目に浮かびます。
この先二人に何があるかはわかりませんが、二人らしく生きていてほしいですね。