創作アイデア『ブロマンス2』
発端
「全部お前のせいだ」と呟くシーンを思いつき、そのセリフが生まれるようなカップリングはどんなものか考えた。
テーマ・要素
- 「君じゃないお前と話したい」
- お互いにひどいことをし合う
- お互いに「相手が攻撃してきたのが先」だと思っている
- でも相手しか、真に理解し合える人・好きなことを話せる人がいない
- どうしようもない関係の中に幸福を見出す、むしろ積極的にどうしようもなくしていく。メリバ
あらすじ
さえない男子中学生・奥村は同じクラスの前浜にいじめられている。
しかし二人は時折、閑散とした公園の公衆トイレの裏で密会していた。
共通の趣味である音楽を聴き合い、語り合うだけの会である。
悪化するばかりの生活の中、この密会だけが二人の幸福な時間だった。
キャラクター
奥村
いじめられている方。中学生。
父が前浜の母と不倫している。
父は職業上、社会的地位があまり高くない上、人をたぶらかす成金という偏見を持たれている。
父子家庭。姉は父に嫌気がさして家出した。
眼鏡をかけている。インテリに見られがちだが学業成績は良くない。
前浜
いじめている方。奥村と同じクラス。
母の不倫は奥村の責任でもあると主張している。
複数の女性と肉体関係にあり、いわゆるヒモ。
女性から受け取った金銭と物品で生活している。
「100点のことができるのは当たり前、常に120点をとるべき」という家庭で育った。
エピソード
テストの点数
小学生の頃、奥村と前浜はテスト満点の常連だった。
しかしもてはやされるのは人と交流の多い前浜だけ。
ある年、最もテストで点数を得た生徒が表彰されることになった(年間の累計、各教科ごと)。
結果、いくつかのテストで、奥村が前浜の点数を上回っていた。
しかしなぜか、全ての教科で教師は前浜を表彰した。
奥村が教師にわけを問い詰めると、「採点に間違いがあったかもしれない」とおぼろげな答えが返ってくる。
奥村は再度表彰を行うことを要請したが、表彰が行われることはなかった。
なお前浜もこの事実を認知しており、このことで奥村に恨まれていると思っている。
ゲーム
ある年、二人が通う小学校で有名なモンスター育成ゲームが流行った。
奥村はそこそこのゲームの上手さと、父の伝手で入手したレアモンスターで一定の地位を築いていた。
逆に前浜は、家庭のルールが厳しくゲームを買ってもらえなかった。友達に下に見られたくないため、ゲームを買ってもらえないことをなるべく人に言わないようにしていた。
ある日、複数人との会話の中で奥村としたやりとりを、前浜は今でも覚えている。
「前浜くんにもこのモンスターあげるよ」
「俺は、そもそもこのゲーム持ってないから」
ドッチボール
もっとクラスメイトと交流するべきと教師に諭された奥村は、半強制的に前浜たちのドッチボールに参加することになる。
そのとき前浜の投げたボールの当たり所が悪く、奥村は数週間、目が腫れたままなになった上に視力ががた落ちしていた。
幸い症状は完治したものの、「前浜が奥村を失明させた」という噂がうっすらと残ったままになってしまった。
その他小学生エピソード
前浜とその友達数人が女子生徒の水着にいたずらをしたとき、その責任が奥村になすりつけられたことがある。
音楽
奥村は幼少期から音楽が好きである。
きっかけは父の運転する車で流れていた洋楽。
様々な音楽を聞き込みオタクであることを誇りにしていたが、年々その誇りに陰りが見えてくる。
様々な音楽(CD等)を聞けることが、父の財力、ひいては反社会性によって担保されたものだと感じ始めたためである。
その反動から自力で音楽の知識――主に技術方面――を調べるようになる。
前浜は幼少期から音楽が嫌いである。
強制的にさせられていたピアノ・バイオリンの習い事で型通りの演奏を求められたことが主なきっかけ。
しかし小学校に入学してから昼の放送で聞いた邦楽の自由さは好きだった。
小学校高学年の頃、前浜にはどうしても聞きたい曲がいくつかあった。
どれも学校や町でたまたま聞いた、タイトルもアーティストもわからない曲である。
友達との会話などから、奥村が音楽に詳しいと知った前浜は、さりげなく曲の仔細を奥村に聞くようになる。
そのやりとりを重ねるうちに、奥村が参考と称して前浜に曲を聞かせるようになる。
中学生エピソード
- 前浜の女性関係が表沙汰になる。告発した犯人は奥村。
- 前浜が母をそそのかし奥村の父と不倫関係になるように仕向けた。
- 前浜がボーカル・奥村が作曲・二人で作詞の楽曲を何度か作ったことがある。どれもつたない出来映えで、でもそれがいいというのが二人の評価。
- 曲の話をするとき、大抵まず奥村が技術で批評をし、前浜が自由度で反論する。最終的には奥村がボーカルの熱意と努力を語り出し、前浜が売り上げの低さに反比例するクオリティを絶賛して話を締める。
- いじめが表沙汰になる。前浜の地位が落ち、家庭環境や女性関係で非難される立場になる。
- 前浜が父によって軟禁されるが、同時期に母との離婚で家庭崩壊、事実上自由の身になる。
- 前浜母が奥村父を殺害する。
オチ候補
- 出奔する前浜に奥村がついて行く?
- 出奔する前浜を奥村が殺す?
- 出奔する前浜を奥村が追いかける?
問題点
- オチが実質無い。
- エピソードの考証が浅い。
後日追記
二人で音楽に没頭することでお互いの日常生活をないがしろにする(させる)という描写を入れてもいいかもしれない。お互いのみ理解者にさせる、依存させるという描写。