とな天小ネタ『令城談の誕生日』

2023年2月3日

目次
  1. 前置き
  2. 解説

前置き

二月三日は令城談の誕生日です。記念にちょっとしたイラストを描いてみました。

本編では誕生日を迎えられなかったので、これは天使事件が起きずに年を越せた世界線の光景です。あの話の流れで事件が起きないことがあるのだろうか?となりますが、まあできないこともないです、本編でなければ。

解説

九十が渡しているのは、令城がペンネーム『日ざし』としてよく描くオリジナルキャラクターのぬいです。

何を渡そうか迷った九十が令城と趣向が近い西に相談したところ、「おれだったら自キャラの絵とかグッズかな……。絵ならともかく、グッズはほぼ自分で作らないとでないから」と返ってきたので、ぬいを作ることに決めました。
令城を驚かせたいという気持ちや、いつも自分を大切にしてくれる分を金銭以外の価値で返したいという気持ちもありました。

……だからといって裁縫初心者が初手でぬい製作をするのもどうかとは思うのですが。

ぬい製作には利田と西、悦子も協力しています。まず利田と悦子の指導を受けながら裁縫の基礎を身につけ、いくつか試作品を作った後、難所を利田や西に任せながら完成させました。西が指に絆創膏を巻いているのはそのとき針を刺してしまったからです。

練習期間も含めておそらく製作期間は一ヶ月から数ヶ月ですが、実はその間九十が何をしていたのかを令城は知りません。「談くんを驚かせたいから」と九十にお願いされたので、この瞬間まで盗聴行為などを自粛しています。イラスト内で驚いているのはそれが理由です。

おまけシナリオでも概ね書いた通り、令城の一番描くオリジナルキャラクターの元になったのは九十です。黒髪褐色泣きぼくろ天使という共通点がありますが、実は衣装も九十要素を取り入れています。

よく見るとぬいはセーラー服を着ています。これは小学生時代の九十がよく着ていたのがセーラー服だったことが由来です。なおセーラー服は悦子の趣味です。

またぬいはランドセルを背負っています。これは令城の「ひーくんがいつか楽しく学校に行けますように」という願いが込められたデザインです。

九十は書類上会山小学校の生徒でしたが、当時の色濃い天使差別が原因で、学校側からやんわりと登校を拒否されていました。九十はときどき小学校に通ってみたいという思いを令城にこぼしていたので、それを知っている令城だからこそのデザインです。

またこのキャラクターが生まれたのは会山小学校大量天使事件の後なのですが、その事件の日に丁度、令城が独断で九十を小学校に連れて行ったという事情があります。令城はそもそも学校が嫌いで不登校気味だったのですが、「ひーくんがいたら学校にも行ける」と九十に頼み込み、悦子に内緒で連れ出しました。

九十と天使事件発生に因果関係はありません。ですが事件が起きたとき九十は「俺のせいで事件が起きた」と強く自分を責め、令城も「そんなことをひーくんに思わせたのはボクのせいだ」と自分を責めました。
なので「変なことに巻き込まれない平和な学校生活をひーくんがいつか送れますように」という願いが込められたデザインでもあります。

ちなみにイラスト右端で別のぬいキーホルダーを渡しているのは黒井です。ぬい製作に自分だけ呼ばれなかったのが悔しくて勝手に九十九ぬいを作りました。
端から見ると友達のぬいを作ったあげくそれを別の友達に贈っている狂った人間なのですが、令城に限ってはそれで正解なのがちょっと面白いですね。


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