カテゴリー: 詩
『好きをならべて』
2022年7月17日
好きなものを好きなだけならべて、わたしの輪郭を写そうとしたの。そうしたら、手とか、鼻とか、本物よりずれてて、しかたなく、安い野菜も、かかとが潰れた運動靴も、スマートフォンも、ならべてしまったから、どんどんわたしに似る輪郭から逃げ出して、誰かに会うことが怖くなったの。
『苦楽3』
2022年7月16日
心臓をひっつかんで、干からびるくらい苦しみを絞り出しても、陶器の皿に取り分けた澄んだ赤色の絵の具は、あなたを真っ二つに裂いた傷口の、ドロドロに流れる黒い血液に、とうていおよばないのよ。
『心の死体』
2022年7月16日
心の死体を捨てたことはある?すてきな言葉があるの、それは思い出。手足がもげるように遊び尽くしたお気に入りのぬいぐるみ。心の支えと言って熱狂したあの人のファングッズ。触れたとき、温度が無くなったことに気がついたなら、手間をかけていた心はすでに死体になっていた。心の死体の所有権はあな […]
『生死3』
2022年7月15日
どんなものにもイデアがあり、それをできるだけ近いところで見ようとする努力があるならば、私が死にたい人間の言葉を美しいと思うこともさして不思議ではないのだ。
『生死2』
2022年7月15日
せっかく思いついた美しい言葉。誰も見ていない、誰にも見せていない。引き出しというゴミ箱に埋められていく詩集。それは死に向かう救難信号。
『苦楽2』
2022年7月15日
揮発性のポジティヴを纏いましょう。大丈夫、周りからは同じ人間に見えます。これが爆弾の製造方法。本当はずっとそこにいたあなたの苦しみ。
『0%知識』
2022年7月15日
宇宙が持ちうる全知の中で、あなたが得た限りなく0%に近い知識に、あなたの偏愛と、人生と、個性を感じ、恋をしている。
『苦楽1』
2022年7月15日
世界にどれだけ俺より苦しんでる人がいようと俺の苦しみは俺だけのものだよ。
『愛1』
2022年7月14日
愛など上手くいかないものです。 だから愛ではないもので愛し合うのです。
『心中1』
2022年7月14日
僕と一緒に救われないところへ行こう。そしたら寂しくない。