カテゴリー: 詩
『わりばし』
2023年1月12日
わりばしに命をかける人がわたしです。この地球に最低四千人はいるわりばし命かけ人の中でも、わりばしのどこをどう持っていつどのように割ればよい音が出るかに命をかけているのがわたしです。その音にこの世の美しさの全てがあり、その美しさは人が対価を出せるほどだと本気で思っています。ばかばか […]
『苦しみに名前を』
2022年12月29日
苦しみに名前をつけるの。つらいという言葉にわたしの感情は収まるけど、顔の見えない不安に怯えたとき、間違いなくあなたを呼んで、わたしの苦しみはブラックホールじゃなくて、仲違いした友達だって思い出したいんだ。
『許せるところ』
2022年12月29日
あなたがたまたまわたしの許せるところにいただけ。お風呂のお湯で洗濯するあなたをわたしは許せる。たとえ許せなくても、あなたが二日に一回お風呂に入る人ならわたしは許せる。だから、お風呂のお湯で洗濯するあなたも、二日に一回お風呂に入るあなたも、許せない人は、わたしよりずっと遠くにいて、 […]
『友情1』
2022年12月29日
あなたとわたしの尊厳を傷つけてどこまでも記憶に残る話をしよう。
『幽居欲』
2022年12月17日
人の嫌なところも自分の嫌なところも見たくないから、なにもかもぜんぶ、なけなしの地位と一緒に葬って、誰も知らないところの誰も知らない人になりたい。朝起きて日の出少し前のほの暗い朝日だけを目にしてそのまま一日を終えたい。それだけのために必要な一日分の点滴一滴を栄養にして生きたい。それ […]
『愛3』
2022年10月28日
無辜のあなたを殺し尽くして人間的な愛を生み出したいんだ!
『今俺が死んだら』
2022年10月28日
今俺が死んだらみんな後悔してくれねえかな。俺に言えなかったことが一人三つくらいあって、たったそれだけの未練に十日くらいもやもやして、未練が一つでも時間が一年でも大差ねえけど、今俺のために泣いてくれないか。まだ泣かれるだけ価値があると思わせてくれないか。
『苦楽8』
2022年10月17日
血を吐いていたんだよ。血で絵が描けると知って、意図的に、作為的に、効率的に、吐こうとしているんだよ。だから本来は、体の警鐘信号なのに、無為に吐き出した血が、何の価値も無いものに見えるんだ。
『苦楽7』
2022年10月17日
尊厳の先にわたしたちの幸せがある。なのにわたしたちは、自分を傷つけることでしか、快楽を得られない。幸福は平常、自傷は麻薬。わたしたちは凡人にだってなれない。
『幸福の赤い糸』
2022年9月30日
わたしと幸福は別の世界に生まれたんだよ。体と幸福は別々に生まれて、ふたりを繋ぐのは赤い糸で、誠実なわたしたちは一途で、だけど別々の世界に生み落ちたんだ。可哀想なわたしの幸福!