カテゴリー: 詩
短歌『おさがり』
2024年6月22日
Tシャツに袖を通してふと気づく君のおさがりもう寸足らず
短歌『なぐさめ』
2024年6月1日
「泣いてんの」隣に座る言葉無く過ぎるが一人にしたくはなく
『青』
2023年8月12日
青だけで私を描いて。一重の目は深い夜の青で、骨が浮く肋骨は淡い朝の青で、鼓動を消費する心臓はすすけた平筆の青で描いて。例えば深い夜の青は、あなたにとって、悲しさのことかもしれないし、喜びのことかもしれない。淡い空の色は、晴れやかさかもしれないし、寂しさかもしれない。知っていてほし […]
『苦しみは人の形をしている』
2023年7月8日
苦しみは人の形をしている。だから鼻が他人より不格好で大きいかもしれないし、足が太くて短いかもしれない。ひどい病気で体がねじれていることもある。だけど誰の苦しみも同じように人の形をしている。苦しみはペンでも机でも太陽でもないから、私たちは苦しみを友人のように理解できる。苦しみはトラ […]
『友情2』
2023年6月10日
大嫌いなあなたよ、ここにいて。わたしはなんでも知っている。あなたが親に怒られたことから、誰にひどいことを言ったかまで。愛している異常、無気力な嫉妬。まるでわたし。しかしスポットライト浴びる一般人。大嫌いなあなたよ。遠くへ行かないで。
『愛4』
2023年5月13日
あの人が異形になったとき、あの人を愛せるだろうか。何も目が三つになるとか、大きい爪が生えるとかの話じゃない。例えばあの人が道路の真ん中で自撮りをし始めたら。あの人が店員を大声で怒鳴り始めたら。今までそんなこと無かったなら。私たちは同一性を愛することができる。共有した記憶を愛するこ […]
『勝手な友達』
2023年4月15日
あなたが誰か知らない。そんなに話したことも無い、話したいわけでもない。でも例えば、あなたが狂信的にもだえている、あなたが将来に悩んでいる、あなたが愚痴を言う、あなたが好きなからあげを食べる、そういう姿を見て、昔いたような友達がいないことを思い出す。あなたを勝手な友達だと思う。たぶ […]
『遠距離』
2023年2月18日
かつて親友と呼んだ人が、ただ一人の人間に見えた。別の道を歩み、別の志を求め、別の場所に住む、距離を持った友人に。私たちが親友だったのは、同じ場所に長くいたから。私たちは心の距離を親友と呼ぶことができるだろうか。
『結婚』
2023年1月30日
この世界は一人で生きるには大きすぎるのでしょう。だから人は結婚する。そこにあるのがどこまでも自分ではないとわかっていながら、その手足を使おうとするのでしょう。
『苦楽9』
2023年1月30日
つらいという一言だけでわたしの苦しみを言い当ててください。無理だとわかっているからせめて、この拙く複雑な弱音を美しいと思ってください。