『愛とはあなたを破壊する魔法』制作記録十四

2024年2月3日

目次
  1. 進捗
  2. シナリオの加筆修正について
  3. シナリオコンバータについて
  4. 制作期間について

進捗

シナリオの加筆修正をしたり、補助ツールの改修をしたりしました。

シナリオの加筆修正について

誤字脱字や表現の校正などの細かな修正から、新規シーン追加などの大幅な加筆まで、幅広い加筆修正を行いました。

シナリオを書いてからしばらく時間が経っているので、自分が書いた文章という意識が薄くなり、客観的な視点からシナリオを見られるようになりました。

改めて物語を見直して、より読者に物語が伝わるように、表現を変えたりシーンを追加したりしました。

例えば今まで物語の第一章は、主人公の幼なじみ・伊方とその恋人・田中の会話から始まっていました。

制作記録八で紹介した、元になった第一章の動画です。

今回このシーンの前に、最終章である第十章の冒頭を追加しました。
追加シーンを撮影した動画です(仮状態のスチルが含まれます)。

愛とはあなたを破壊する魔法を紹介するときは、「幼なじみを生かすか殺すか決めるゲーム」と紹介することにしています。物語のオチであり、最も魅力的な部分だと考えているからです。

元の第一章の内容より先に物語で最も魅力的な部分を出すことで、より読者の面白そうという感情を引き出すことができると考え、今回のシーン加筆を行いました。
視覚的に派手なシーンではありませんが、これからの物語に静かな期待感を感じられると思います。

また、「主題を先に書くことで話の目的がわかりやすくなる」というのも、シーンを追加した理由です。

文章執筆の手法の一つに、結論を先に書くというものがあります(PREP法など)。
結論を先に書くことで、その先の文章が何を説明しているのかがわかりやすくなり、文章が読みやすくなるという効果があります。

伊方と田中の会話や真実の愛の魔法より、主人公である佐久真が伊方を生かすか殺すか選ばざるを得ない状況の方が、より主題に近いと考えました。

そのほかにも思惑はあります。「次の章でオチのその先が良い意味で予感できて面白いのではないか」「最初の一文をより印象的なものにできるのは追加したシーンの方ではないか」などです。

前者に関しては実験的な面があり不安もあります。オチがわかるとその時点で面白さがピークになってしまい、その後の物語がつまらなくなる恐れがあるためです。
しかし元の第一章よりも面白いと感じられると思うので、このシーンを追加したままで公開したいと思っています。

以上のように、「より面白くなるように」「よりわかりやすくなるように」を意識して、加筆修正を行いました。
修正前は四万字程度だったシナリオが五万字に増えたのでちょっと怯えています。文字数が増えるときは物語がわかりにくくなっている可能性があるので……。

色々考えてはいるものの、面白い物語を作るのは難しいです。
未熟ではありますが、未熟なりに人の心が揺さぶれる物語を作れたらいいなと思います。

シナリオコンバータについて

制作記録五や制作記録六などで紹介したシナリオコンバータを改修しました。
大きく変わったのは「複数ファイルを一括変換できるようになった」部分です。

校正のために通しプレイをすると、全十一章※すべてで修正部分が見つかることがあります。
※第一章の前に第零章があるため、章の数は全部で十一です。

そうなると、一度に十一ファイルを、Ren’py用とティラノスクリプト用に変換することになります。校正する度にファイルを一つ一つ一つ変換する操作が煩わしいなと思っていました。

今回の修正で一括変換が行えるようになったので快適です。
自作ツールは思い立ったら気軽に改修できるところが魅力的ですね。

このツールは以下のリンクからダウンロードして使用できます。興味のある方は使用してみてください。
いずれGUI版を作りたいなと思っています。

Github
SCBS

制作期間について

今日で制作開始から一年になります(アイデアを思いついた日であれば昨日で一年です)。

一周三時間程度のゲームに一年かけていることに驚いています。制作当初は三ヶ月で終わると思っていました。
大体スチルイラストのせいだと思います。

ゲーム制作以外の作業と並行して進める都合上、どうしても制作期間が延びがちなのがつらいです。このままずっと完成しないのではと不安になります。

ですがゆっくり制作していたおかげで、今回シナリオをよりよくすることができたり、他にもよりよくできる点を発見できたり、良いこともありました。
今の状況を生かして制作していけたらと思います。


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